光が眩しい時に目を細めるのはいたって自然な反応だ。でも人は眩しくもないのに目を細めることがある。実は不快感や嫌悪感がある時にも目を細めるのである。

目を細めるのは目に入ってくる光の量を調節するためである。だが光だけでなく耳障りな音や大嫌いな音楽を耳にした時、余り好感を持てない人を目にした時にも目を細めてしまうのである。

これは目を細めることで不快な対象をしっかりと認識し、すぐに自分の身を守る行動に移れるようにするためだ。勿論音は目に見えるわけではないが、嫌悪を感じることによって無意識のうちに目を細めてしまうのである。

例えば話の最中に相手が急に目を細めてきたら、周囲の音にも耳を澄ませてみよう。その時に流れている音楽が好みに合わないのかも知れないし、周りの人のお喋りがうるさいのかも知れない。

そんな時は「場所を移しましょうか」等と持ちかけて、静かな場所で改めて話をした方が穏やかに気分で聞いてくれるはずである。←「他人の心理大事典」から引用

不動産建設会社で営業マンをしていた時に忘れられない思い出があります。すでに購入してあった分譲地に新築したいというお客様の所へお伺いしました。挨拶もそこそこにご主人があらゆる観点から質問してこられました。根掘り葉掘り聞いてくるのです。こちらが返答に窮すると目を細めてさらに追及してきます。私は「お客様から教えて頂く」ことをモットーにしていましたので、誠心誠意お答えして分からないことがあったら「調べてきます」と素直に答えました。

何とか建築契約をして地鎮祭を無事に終えることが出来ました。地鎮祭が終わったその時です。ご主人が私に近付いてきて「有難う、私のうるさい要求によく応えてくれたね。もう完成までは君に全て任せるよ」と言って本当に完成まで一言のクレームもありませんでした。奥様からも「この人はタクシーの運転手をしているけど本当にうるさい人なの。あなたがうちに来るまで4人も営業マンがあきれて帰って行ったわ。あなたが初めてよ。最後まで主人に付き合ってくれたのは。本当に有難う」と言って頂きました。