自律神経は身体の細胞全体を統合しています。人間も含めて生き物は全て単細胞生物から進化しましたが、元々細胞というのは一つで全ての機能を果たしていました。物を捕食し、消化し、エネルギーを取り出し、排泄し、異物を処理する、これらの活動をたった一つの細胞で全て行っていたわけです。ところが進化するにつれて、細胞は役割を分担するようになりました。人間の体細胞一つ一つは、本来持っている機能の一部だけを使うように進化したのです。最近よく話題になっていることですが、遺伝子のスイッチオン、スイッチオフを巧妙に実行して、ごく一部の能力だけを発揮しているわけです。実際殆どの遺伝子がオフで、ほんのごく一部の遺伝子だけがオンにされて皮膚の細胞になり、腸の細胞になり、神経の細胞になりと役割を特化しています。するとそこまで専門化した細胞をまとめて、それぞれがいつ休み、いつ働くかという指示が必要になるのですが、この指示を出しているのが自律神経です。

ところが、そんな専門化した人間の体細胞の中にも、かつての単細胞時代の様に、何でも自分でこなそうという細胞が残っています。これが白血球です。白血球は単細胞時代の性質を残しています。つまり殆どの遺伝子のスイッチがオンになっていて、単細胞のアメーバのようにありとあらゆる機能をいつまでも保持しているという、そういう細胞なのです。

白血球はアメーバみたいな形をしていて、標的となる物を貪るように食べて消化・分解する能力を備えています。これを貪食と言いますが、この能力を生かして異物を捕らえて消化・分解するということで、身体の中では防御細胞になっているわけです。白血球は異物が外から侵入してきても戦って処理してしまうし、また身体の内部で害となるような異常な細胞が生まれた時も、それを排除・処理する力を持っています。つまり身体中を防御するシステムが白血球なのです。

こう考えてみると人間の身体で起こること、つまり病気・健康というものを総合的・全体的に把握するには、エネルギーのシステム、自律神経のシステム、白血球のシステムという三つのシステムの有り様と、その相互的な働きを知ることがどうしても必要です。一つ一つだけを理解していても、体調というものを把握することは出来ません。この三つのシステムのバランス、相互作用を理解することが大切なのです。

←安保徹先生著書「免疫革命」から抜粋

今回着目したのは次の箇所です。

「人間の身体で起こること、つまり病気・健康というものを総合的・全体的に把握するには、エネルギーのシステム、自律神経のシステム、白血球のシステムという三つのシステムの有り様と、その相互的な働きを知ることがどうしても必要です。一つ一つだけを理解していても、体調というものを把握することは出来ません」

私は天気のよい日には近くの都立公園を6,000歩程ウォーキングしていますが、肥満体型の方が息を切らしながら歩いているのを見かけることがあります。また私の同期生の中にも昔から肥満体型の者がいて、先日会ったら杖をついて歩くようになっていました。また彼は年中医者通いをして病気と格闘しています。

肥満解消は中々難しいもののようです。しかし局所療法的に肥満解消に取り組んでも無駄だと思います。売らんかなの広告宣伝につられてサプリメント等に頼るのは、時間とお金の無駄遣いです。

なぜ人間の肥満化システムを本屋や図書館に行って少し勉強して、自分自身の肥満の根本原因を知ろうとしないのでしょうか。原因（過食・怠け癖・恵まれた環境等々）と結果（肥満）を考察すれば、自分自身に合った根本的な肥満解消法は授かります。

「自律神経のシステム」を少し勉強するだけで、自律神経には交感神経と副交感神経があり、緊張やストレスで交感神経優位となりやせる原因となり、のんびりゆったりすると副交感神経優位で肥満の原因となります。

つまり厳しい旦那様に素直にハイハイと従って動き回る奥様はスリムなナイスボディーでいつまでも若々しく、反対に優しい旦那様をアゴでこき使って自分は動かず甘いものを頬ばっている奥様は、メタボ街道をばく進して寿命を縮めることになるということです。