有名人姓名判断のブログ

今話題の有名人の運勢を古神道由来の数霊術姓名判断にて占ってみたいと思います。

ビッグボスに聞かせたい話


禅で鍛えぬいた〝鉄人〝にも心のスキ


人間は、ともすると自分の考えが一番正しいと思い込んでしまうことがある。「自分はとらわれているな」このことがわかる人は、素晴らしい人物だ。元巨人軍の監督・川上哲治さんは、自分が見える人物である。

「私には苦い経験があります」

たくましい体格をし、目の底に勝負師の激しさをたたえる川上哲治さんから〝苦い経験がある〝と言われてもピンとこない。

「それは、僅差で優勝を逃した監督最後の年の記憶です。長く監督をやれば、それでなくてもほこりやアカがたまるものなのに〝来年はもう監督でない〝という気の緩みが、それに輪をかけてしまったのです。私の心のスキが勝負への集中力を削いで、指揮系統を目詰まりさせてしまいました。監督の心の動きは、そのまま選手のプレーとなって現れます。選手は実によく監督を見ているものです。これは敗戦から得た、私の貴重な教訓でした」

V9を成し遂げた川上哲治監督に、心のスキがあろうとは誰も気が付かない。川上哲治監督は禅で鍛え抜いた〝鉄人〝だとファンは信じている。どんなピンチにも、鉄人は必勝の信念を持って、食らいついて行く。勝負を捨てた事は一度もない。巨人軍は、不滅の栄光を持って快進撃を続けてきた。そのV9・川上哲治監督は、しっかり敗戦の原因をつかみ取っていた。「敗戦の原因は、監督自身の心のスキにある」まさに禅の心そのものを、川上哲治さんは突き詰めて見つめているのである。

「ペナントレースで最終の試合を占う時、私はいつも監督の心の動きを注目しています。接戦になればなるほど、人間本来の器量の勝負になるからです。優勝という目標が目前にちらつき出すと、敵は自分の中にあります。自分が揺れ動くから、相手は実態よりも大きく見えてくる。だから無心で臨む者が強い。無心とは欲を断ち切る事ではない。欲のあるままに、欲から解放された心境です。〝勝負の心〝とでも言えばよいかと考えます。そんなとらわれない心持ちになれば〝優勝〝は向こうから転がり込んできます。こうした心境に誰が一番早く入れるかが問題なのです」

何事もとらわれてしまうと〝狩人森を見ず〝という所へ落ち込んでしまって、大きな流れに乗ることは出来なくなってしまう。

〝欲のあるままに、欲から解放された心境〝こそ禅の心である。禅の心を、心身全てに充実させて、とらわれない心でベストを尽くして行けば、どんなに難しいことでも成功するのである。


←赤根祥道先生著書「自己修養のすすめ・十大禅師に学ぶ人生の極意」の「第四章  高く翔ぼうとすれば、まず低く翔べ・妙超禅の極意」から抜粋


今回は「自分が揺れ動くから、相手は実態よりも大きく見えてくる。だから無心で臨む者が強い」という箇所に着目しました。

私がリストラされた会社に専務として戻って間もなく会長から呼ばれました。「こういう内容証明郵便が弁護士から来たけど、争っても勝ち目はないから承諾する旨の返事を書いてくれ」と言われました。全国一の売上高を誇る相手方が新規出店をしようとした地域にわが社の隣県店舗があり「名称が類似していて出店出来ないので直ちに店名を変更せよ」という内容でした。相手方は売上高数千億円の巨大企業で当社の様な百億円に満たない会社なんか睨まれたらひとたまりもありません。

しかし私は、学生時代に東京丸の内の法律特許事務所で商標調査の短期アルバイトをした経験がありましたので「会長、商標法関係を良く調べて見ますので一晩預からして下さい」と言って、その内容証明を預かりました。

一晩調べてみて相手方は訴訟を前提にしている事が読み取れましたので、翌日会長に「これはうかつに承諾すると商標権侵害で損害賠償を請求される危険性があります」と言って、対応を全て任せてもらうことにしました。

最速、独身時代に経営相談の仕事をしていた時の縁で東京の弁護士を訪ねて対策を練り、請求拒否の内容証明を返送しました。すると案の定、相手方は東京地裁に商標権侵害による1億円の損害賠償請求訴訟を起こして来ました。

それから私は、1年間ほぼ月1回のペースで上京しては裁判前整理手続きに出席し、1年が経過する直前に裁判長から和解勧告があり対等和解を勝ち取りました。当社は現店舗限りの店名使用を許され、先方は1億円の損害賠償請求を取り下げました。

「無心で臨む者が強い」という貴重な体験をさせて頂けました。