人間の五感のうち目で見たものや耳で聞いた音、声等は、他の人と同じように共有することができる。

2人の人間が同じものに視線を向けた時、目に映るものはほとんど同じであるように音や声についても同じことが言えるのである。

ところが、人によって受け止め方や感じ方が全く異なるものもある。それは味覚だ。それだけに、2人の人間が同じものを食べて同じように「美味しい」と思えるかどうかは、その2人が心から共感しあっているかどうか、と大きく関わっている。

同じ料理に「美味しい」と共感できる人同士であれば、他のことをしていても一緒にいるだけで楽しいし、居心地がいいという訳だ。

もしも好意を持った異性と食事をする機会があれば、ぜひ同じ料理を選んでみよう。そして同じように「美味しい」と思えたら、きっと2人は気が合う同士、もっと親しくなれる可能性が大きい。

家内とラストダンスで知り合ってからは、2人とも大阪で仕事をしていましたので、休日は神戸や京都・奈良方面へドライブを兼ねてよくデートしました。特に神戸は異人館通りや須磨海岸へ行きました。あの異国情緒溢れる異人館通りのカフェやレストランでのランチはデートの雰囲気を盛り上げるには最高の舞台でした。私は彼女より7歳年上で九州男子でしたので何事も私が即断即決でリードして、彼女は素直についてきてくれました。ランチの時にメニューを見てオーダーするのも私の独断専行で、彼女はいつも美味しそうに食べて話も合わせてくれました。今になってよく考えると彼女は北海道出身で心も広く穏やかで、彼女の手のひらの上で上手に踊らされていたのは私の方でした。そうでなければ3女1男を育て上げ、娘2人はスポーツで日本一になり、全員結婚させて現在9人の孫がいるというこの繁栄と幸せは味わえなかったことでしょう。家内には改めて感謝です。