火坑を転じて池となす!
人生の幸福も不幸も、すべて人の心の持ち方から生じてくる。
釈迦も説いているではないか。
「欲望が烈しければこの世は火の燃える穴、執着が強ければ人生は苦しみの海。
清らかな心となれば炎の中も池の水のように涼しく、道に目覚めれば舟が岸に着いたように苦しみから抜け出すことが出来る」と。
心の持ち方をいくらかでも変えることによって、この世界ががらりと変わってしまうのだ。
よくよく考えなければならない。
←洪 自誠 著「菜根譚」からご紹介させて頂きました。
☆「人生の幸福も不幸も、すべて人の心の持ち方から生じてくる」「心の持ち方をいくらかでも変えることによって、この世界ががらりと変わってしまうのだ」という箇所に着目致しました。
「災い転じて福となす」という言葉がありますが、私の場合は学生時代にまさにそれを体験しました。
鹿児島から東京の大学に入学して、法律の勉強やアルバイトに精一杯頑張っていましたが、1年の終わりの学年末試験終了と同時にひどい風邪を引き、夜も寝れないほどの咳が出てとても苦しくなりました。
丁度、親父ほど年の離れた従兄が東京の総合病院で呼吸器科の医者をやっていましたので診察してもらったら、レントゲン写真を見ながら「◯◯君、これは酷いよ。肺が真っ白だ。最低でも2年はかかると思うから、鹿児島の知り合いの病院を紹介してあげよう」と言われました。
頭をガーンと殴られた思いで、鹿児島へ帰る特急寝台列車「はやぶさ」の中では咳をこらえながら一睡も出来ず涙に咽んでいました。「何で俺だけがこんな目に、チクショー!」と悔し涙が止まりませんでした。
結核専門療養所に入院してびっくりしたのは、重症病棟には10年20年も長期入院している患者さんが沢山いたことです。それでさらに気分が落ち込んで、入院当初は看護婦さんの言い付けも守らず薬も真面目には飲みませんでした。
そんな人生最悪の時に出合ったのが、私にとっては運命のあの言葉でした。入院したら暇潰しに読もうと神田の古本屋街で買い求めた古本の一冊の中にありました。
一休禅師の「病気の時は病人になるがよろし」という言葉です。「病気になった以上は、ジタバタせずに病人らしく病気を治すことに専念せよ」ということです。また「何をそんな些細なことで悩んでおるんじゃ。あの大空に飛び出して、広い天空から地上の小さな円の中でうじゃうじゃと悩んでおる自分自身を見てみよ。何とちっぽけな己れであることよ」という言葉も私の心に響きました。
これらの言葉に刮目した私は、病院一の模範的入院患者になろうと努力して、入院後4ヵ月で無事に退院出来ました。この時以来、その後50年以上お医者さんにかかるような病気をしたことがありませんから、まさに「災い転じて福となす」人生となっており誠に有難い限りです☺️
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