リンパ球過剰が過敏体質をつくる!
リンパ球が過剰になると、抗原に過敏に反応してアレルギー疾患が起こりやすくなるという形で破綻が起きます。このメカニズムを説明するために、まずリンパ球のことをもう少し詳しく説明します。
リンパ球というのは、突然貪食能を退化させ、接着分子を進化させて、現在の形になったのでしょうか?そうではなくて、沢山の段階を経て、今の状態にたどり着いたのです。
マクロファージから顆粒球が生まれた様に、リンパ球もマクロファージから生まれました。
リンパ球にはNK細胞、胸腺外T細胞、T細胞(Th1細胞、Th2細胞、傷害性T細胞)、B細胞(B―1a細胞、B―1b細胞、B―2細胞)という種類があるのですが、この中で最初に生まれたのが、一般の人にはガン細胞を攻撃することで知られているNK(ナチュラル・キラー)細胞です。
NK細胞というのは、マクロフファージから進化したてのほやほやの細胞です。
別名、大型顆粒リンパ球とも呼ばれていますが、よく見るとマクロファージと大変よく似た形をしています。マクロファージは偽足を出してアメーバみたいに動き回るし、細胞質内顆粒と、腎臓型の核を持っていて、異物を飲み込むとこの顆粒で消化します。
NK細胞は、マクロファージほど大きくありませんが、リンパ球の中では一番大きいものです。だから大型と言われます。
そして、顆粒リンパ球と言われる様に顆粒がありますし、核もまだマクロファージに近くて、腎臓型をしています。
他の進化が進んだリンパ球になると核はまん丸ですが、NK細胞はまだ腎臓型です。
実際に観察すると、NK細胞は本当にマクロファージから生まれたのだということが実感出来ます。
←新潟大学大学院 医学部教授 安保 徹 著書「免疫革命」の「第五章 病気と体調の謎が解ける免役学」からご紹介させて頂きました。
☆上記の写真は「白血球の系統進化の過程」で腎臓型の核からまん丸型の核への進化を表しています。
マクロファージ→最初にNK細胞(上記写真左側)が生まれ→それから胸腺外分化T細胞(上記写真真ん中)→次に胸腺由来T細胞(上記写真右側)が進化しました。
この4年間は新型コロナウイルスの大流行で、細胞の10,000分の1の極微細なリンパ球は、外部から私達の身体へ侵入して来る抗原(ウイルスなど)と戦うために大忙しです。
私達も食事や運動などで免疫力を上げて、超多忙なリンパ球君を少しでも助けて上げる様にがんばりましょう😆👍❤️
このブログへのコメントは muragonにログインするか、
SNSアカウントを使用してください。