この間大変興味深い話を聞かされました。結婚15年目にして初めて奥さんに恋愛感情を持ったという男の人からです。その人話す所によると、自分は奥さんがそれほど好きでもないのに、成り行き上仕方なく結婚。だから甘い生活の期間は一度もなく、夫婦だから一緒に暮らすという無味乾燥な日々だったそうです。ところがある日、奥さんが忙しそうに家事洗濯している姿を何気なく見ていたら、突然奥さんが愛しい存在に思え、以来日増しに奥さんを好きになって来ているというのです。

「苦労かけたな」これが最初に頭に浮かんだ言葉だったそうです。すると奥さんがかいがいしく子供達の面倒を見たり、自分が病気の時に夜中まで看病してくれたこと、重い買い物袋を下げてふうふう言いながら階段を上がっている姿、喧嘩をして殴ったら顔を腫らして泣いていたこと等が次々に思い出されてきて、胸が締め付けられたと言います。以来その男の人は、時間が許す限り奥さんの話し相手になったり、日曜日には一緒に近所のスーパーへ買い物に行く等、奥さんと心を通い合わせる時間が物凄く多くなったということでした。

「15年目の恋愛です。しかも女房とですから変でしょ」こう言ってその人は頭をかくのですが、中々いい話です。お別れする時に「毎日が楽しいですよ」と言ったその顔には、幸福な人生を送っている人に共通する輝きが見られました。

←帯津良一博士著書「自然治癒力」から抜粋

私は恋愛結婚でしたので家内に一度も手をあげたことはありません。子供達にも手をあげた記憶はありません。男尊女卑の厳しい鹿児島育ちですが、女子供に手をあげるのは男として最低だとの雰囲気がありました。

結婚10年目の家内の誕生日に、日頃4人の子供達の世話に忙殺されている家内に内緒でプレゼントを買いました。彼女の誕生石の青いトルコ石の指輪とイヤリングです。

私が「誕生日おめでとう」とプレゼントを渡すと家内は「あら、珍しいわね。何か怪しいな。いい人でも出来たのかしら」と微笑みました。続いて私が「俺達案外上手くやってきたよね。もう10年たったよ」というと家内の顔がキリッと豹変しました。

「何を言ってるんですか。あなたみたいな我が儘な人は他の奥さんだったら3日でサヨナラしてますよ。私だから10年ももったのよ。全く！」と大声で叱られました。

それ以来、私は7つ年下の家内には頭が上がりません。