食べ物に関してもう一つ大きな要素が、心の作用です。体にいいからと言ってイヤイヤ食べた時の心は、体のポテンシャルを落としてしまいます。やはり食べ物というのは、美味しいなあという満足感があって初めてポテンシャルを上げるのです。

先日もある患者さんが、自分は魚や肉やアルコールが好きなのですが、退院しても食べちゃいけないでしょうねと遠慮していました。ですから私は、それは原則はそうですが美味しいなあと言って食べるステーキや、うまいと言って飲むビール一杯等、逆に体にとてもいいから時々やったらいいんですと言ったら、とても喜んでいました。

食材によって多少ポテンシャルを落としても、うまいと喜びを感じることによってポテンシャルを上げられますから、差し引きプラスになります。何年も美味しいものを食べてはいけないというストレスの方がより悪いということです。

また食べ物は作る人が心を込めないとダメです。心を込めた食べ物を食べると、作った人の心も食べることになりますから、やはり食べた人のポテンシャルが上がります。

←帯津良一博士著書「自然治癒力」から抜粋

大学時代の昼休みに、お茶の水駅近くの喫茶店で同郷の友人と昼食を食べていた時のことです。その友人は何か心配事でもあるのか、実に不味そうにサンドイッチを食べていました。私が「どうしたの、何か心配事でもあるの？」と聞くと、次のような信じられないことを打ち明けてくれました。

その友人のクラスメートから「いい所があるから一度だけでいいので一緒に行ってみないか」と誘われて出掛けたそうです。そこは創価学会の集会所でした。そこにいる親切そうな人達から厚いもてなしを受け、彼は勧められるままに入会してしまったそうです。暫く通ってみたけど、余りにも強制的なことが多くてイヤになり勧誘したクラスメートに「退会したい」と申し出たそうです。ところが「私の一存では決められないんだ。君が直接、十数人の幹部さん達の前で退会理由を説明して全員の了承が必要なんだよ」とクラスメートから言われて毎日悩んでいるという事でした。

私は聞き終わるや否や「それはおかしいだろ。その勧誘した奴を連れてこい」と友人に言いました。次の日、早速クラスメートを連れて来たので、私は「今我々が勉強している憲法には信教の自由が明記されているよな。入会の自由があれば退会の自由もあるんだよ。お前が責任を持って退会させろ」と一喝しました。

するとまもなく、その友人から「ありがとう、お陰様で退会できたよ」と報告がありました。その友人が後年、私の結婚披露宴で友人代表として挨拶してくれました。「◯◯君には小学生の時にいじめっ子から助けられ、大学生の時にも退会問題で救ってもらいました」との涙ながらの挨拶に私も思わずもらい泣きしてしまいました。