宇宙には「気」という生命の根源物質が満ちている、こういうふうに考えるのが気功です。この「気」の正体はまだ突き止められている訳ではありませんが、今の所「生命が生命であるためのエネルギー」というふうに考えられています。そして気功は、そのエネルギーの秩序を整えるためのものとでも言えましょう。エネルギーの秩序が整えられれば、当然自然治癒力も高まってくると考えられます。

さて気功には基本となる三つの要素があります。それは「呼吸・心・姿勢」です。これらの三つを整えることをそれぞれ「調息・調心・調身」といい、これらが整えば正しい気功法を会得することが出来ると言われています。だから決して難しいことではありません。誰でも身に付けることが出来ます。

但しこの三要素は、正しい呼吸をするためには姿勢を正し、心から雑念を払わなくてはならないというように、それぞれ密接に関連しているのです。いわば「三位一体」の関係と言えるでしょうか。

←帯津良一博士著書「自然治癒力」から抜粋

帯津先生の「正しい呼吸をするためには姿勢を正し、心から雑念を払わなくてはならない」という記述は座禅そのものです。「呼吸・心・姿勢」という気功の三要素のご紹介も座禅そのものです。

私が大学時代の卒業直前に鎌倉の円覚寺で行われた「学生座禅会」に参加した時、強烈に思い出に残っていることがあります。座禅をしている時、雑念にとらわれたりすると心の揺らぎが形に現れて、体がほんの僅かに揺れたり姿勢が悪くなります。それをすかさずお坊さんが見抜き、警サク（長い板の様なもの）で叩いてくれて覚醒せてくれます。このお坊さんの人の心の揺らぎを見抜く力も長年の修行の賜物かと深く感動しました。