瞑想というとちょっと難しそうですが、簡単に言えば目を閉じて静かに考えることで、空想と同じことですから誰でも体験しているはずです。言い換えると、目の前に現れていることとの境界を忘れて想像を巡らすこととも言えます。

例えば子供の頃は誰でも一度は、自分が鳥になって空を飛んでいる姿を想像したことがあると思います。あるいは自分が天才で、受験勉強をしなくても一流大学等に入学できると言った虫のいい空想をした人もいることでしょう。

空想するというのは、現実には手の届かない所にも簡単に届いてしまうのですから、実に楽しいことです。そして楽しくなれば自然治癒力も高まります。

また別の意味からも、瞑想によって自然治癒力が高まることがわかっています。というのも瞑想すると気功と同じような体の状態になるからです。

気功の所でお話しした「呼吸」「心」「姿勢」の三要素は、瞑想とほぼ共通しています。これまでにもお話しした通りこの三要素を整えることを、気功では「調息」「調心」「調身」と言いますが、このうち特に「調心」に重点をおいたのが、瞑想であると言っても間違いではありません。

←帯津良一博士著書「自然治癒力」から抜粋

帯津先生の「空想するというのは、現実には手の届かない所にも簡単に届いてしまうのですから実に楽しいことです」「楽しくなれば自然治癒力も高まります」というご指摘で思い出したことがあります。

私はまれに娘達から「今度私、内蔵の小さな手術を受けることになったの。ちょっと心配だわ」等という連絡を受けることがあります。すると私は勇躍して「よしっ、お父さんに任せとき。時間を合わせて鹿児島のご先祖様に向かって一緒に祈ろう。治った時の楽しい姿を想像しながらね」と言います。間もなく娘から「お父さんありがとう、ご先祖様にお願いして安心したわ」との連絡が来て、こちらまで嬉しくなります。

この年になっても子供達から窮地の時に頼りにされるのは、父親冥利に尽きありがたいことです。