しかし最近自然治癒力を高めて行くためには、それだけでは不十分だと考えるようになってきました。というのも、ふと未来とはどの当たりを指すのだろうかという疑問が湧いてきたからです。

学生時代、私は空手部に所属していたのですが、握力や手首の力を強くするために、普通よりも少し長めで切っ先が太くなっている木刀を振っていました。この木刀は両手で持てば何とか振れるのですが、右手一本ではとても振れません。ただ持って切っ先を前方に安定させるだけでも、切っ先がゆらゆらしてしまうのです。

未来に向かうということも、この木刀と同じではないでしょうか。どちらも不安定で、真っ直ぐ確固たるものとは到底言えません。

そこで私は気が付きました。この切っ先を安定させるには、どうしたらいいのか。それには、この切っ先を向こうの壁に突き刺してしまえばいいのです。そして柄のところを右手でしっかりと固定してしまえばいいのです。

では、未来を固定する〝壁〝とは何でしようか。これはもう〝死〝しかありません。人間も生き物である以上、いつかは死ぬものです。この避けがたい〝死〝こそが、未来のその先にある〝壁〝なのです。そしてその死の意味を考えるので、死生観も築いて行くことが出来るのです。

つまり自分の悲しみや孤独感と言った大地に根差した生きがいで、死という壁をも突き通してしまえば、心が揺らぐことはありません。この心こそが自然治癒力を高めて行くのです。

前述の神谷美恵子さんは、こんなことも書いておられます。

「生きがい感には幸福感の場合よりも一層はっきりと未来に向かう心の姿勢がある」そうです。生きがいにあっては、この未来に向かう心の姿勢というものが、最も大切なのです。

←帯津良一博士著書「自然治癒力」

私の死生観は明確です。若い頃に興味を持った座禅の実践と古神道の研究により「私の魂は死後もこの広い宇宙（森羅万象）に存在して、いつでも子や孫を守り続ける」というものです。

ですから「いつ死んでもいいね。ワクワクするよ」ということです。

私は小さい時に、時々不思議な言動をするので母親が心配になり、近所でも評判の霊感師のおばあさんに霊視してもらったそうです。そうすると「この子には源氏の霊がついているから大丈夫、心配せんでもよか」と言われたそうです。

私の先祖は代々薩摩藩の郷（直轄領地）の関所の役人であったと聞いています。また鎌倉時代初期に島津家が薩摩に派遣された時に従った33家臣団の中に我が家の苗字もあります。

私が事業部長として転職したある会社には売上不振のカラオケ店やレストランがありました。着任早々、カラオケの店長から「部長、この店には何かいるから気持ち悪いとお客様からクレームが出るんですよ」とのことでした。私は20室あるカラオケ個室全部を巡回して店長へ「◯番と◯番の部屋には確かに何かいるね」と言うと、店長は「えっ、どうして分かるんですか。まさにその２つの部屋です」と言われました。私が問題の個室の鬼門（北東）方向の壁に粗塩を撒いてお清めすると、低迷していたカラオケ店の売上は向上して行きました。

ご先祖様から伝わる霊魂は未来永劫に伝わって行くのを感じます。私の役目は、人世の役に立つことによりその霊魂をさらに磨き光らせ、その死後も天界から子孫を守って行くことだと思っています。