「創業50年の建築部の廃止！」

リストラされた建設不動産会社に出戻って社長になった私は、最初の社長業第1期2年間でパチンコ事業部のリストラと廃止を多くの困難を乗り越えて達成しました。

次の第2期2年間は、赤字の元凶である本丸の本社建築事業部のリストラと廃止に取り組みました。創業以来50年間、この会社の顔であった建築事業部を廃止するのは、ベテラン社員にとってはとんでもないことで、激しい抵抗と嫌がらせがありました。

しかし、私は昔から怖いもの知らずで、抵抗があればある程燃えるタイプで、メインバンクと相談しながら、建築事業部の廃止を強力に推し進めました。

但し、一つだけ大きな問題があって、50年間当社で家を建てて下さったお客様（OB客）のアフターケアをどうするかという問題でした。

そこで思い付いたのは、最初に私をリストラした建設会社で当市にも大きな支店がある隣町の建設会社に、OB客1000軒以上の名簿とリストラする建築課長を引き受けてもらうことでした。隣町の建設会社にとっては、リフォームの見込み客1000軒分とOB客に顔馴染みの建築課長がタダで手に入るのですから、こんな棚ぼた話はありません。

事務引き継ぎのために、紺のシーマに乗って紺のスーツに青いYシャツと青いネクタイのラッキーカラーで決めた私が、隣町の建設会社に入って行くと、皆さんは驚きながらもニコニコ顔で迎えてくれました。なにせ、以前リストラされた男が他社の社長となって、リストラした会社に福を運んできて「恩を仇で返すではなく、仇を恩で返しに来た」のです。

社長室で引き渡しが終わると私は「以前、この会社をリストラされた日に、専務が◯◯君頑張れよ！と玄関まで見送って励まして下さったのが、大いに励みになりました」と感謝申し上げました。

帰り際には、社長・専務を始め役員全員がシーマの所まで見送りに出てこられ、深々と頭を下げて見送って下さいました。

これでまた一つ人様の喜ぶこと、陰徳を積まさせて頂きました😆👍❤️